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「彼女は大層辛いものが好きだ」、「彼は犬と遊ぶのが非常に上手い」、「先生は大変親切にしてくれた」…これらの文に共通する要素が何だかわかりますか?
すべての文に強調表現が使われています。こちらに挙げた強調表現はすべてフォーマルなものですので、基本的にどのようなシーンでも使えます。一方、親しい間柄でのコミュニケーションでしか使われないような表現もあります。今回は、強調表現の中からくだけた言い回しをいくつかご紹介します。
「とても」(totemo)に相当するカジュアル表現
1.「めっちゃ」(meccha)
「めっちゃ」は、関西地方で使われ始めた表現という説もありますが、「かなり」と同じような使われ方で関西だけでなく日本中どこでも頻繁に耳にします。「めちゃくちゃ」という表現とほぼ同じ意味です。
2.「すごく」(sugoku)
日本の古語に「すごし」という言葉があります。「すごし」は、「ぞっとするほど恐ろしい」などマイナスの意味があると言われています。古語との直接的な関係ははっきりしませんが、「すごく」は「程度がはなはだしい」という広い意味で使われるようになったのかもしれません。
3. 「超」(cho)
「超」という漢字には「超える」という意味もあります。「超」”cho”は必ずしも若者言葉として使われるとは限りませんが、「超嬉しい」のように強調して伝えたいときによく使われます。
4. 「マジ」(maji)
「マジ」はカタカナで書くのが一般的です。言葉の由来には諸説ありますが、一説によると「真面目」の略語であると考えられているようです。「本当に」「本気で」という意味合いを持たせるときによく使われます。
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「とても」(totemo)を意味する若者言葉の使い方
日本人は普段の生活の中で、「とても」を意味する若者言葉を頻繁に使っています。6つの場面ごとに「とても」の若者言葉の使い方を見てみましょう。
・朝、学校の友達との会話
今日までの課題「めっちゃ」(meccha)難しくてわかんなかった。
わたしも夜中までやったけどできなかった。「超」(cho)眠い。
・アルバイト中に同僚と
朝から店に来てくれるお客さんがいて「すごく」(sugoku)うれしい。
そうだけど、開店準備って「マジ」(maji)疲れる。
・図書館で、友人と
あそこのグループうるさくない?「超」(cho)迷惑なんだけど。
図書館で騒ぐ人は、「マジ」(maji)で無理。
・遊園地で、友人と
ジェットコースターで「めっちゃ」(meccha)叫ぼう!
最後に急降下するらしいよ、「超」(cho)楽しみ!
・台所で、子どもと
お鍋は「すごく」(sugoku)熱いからさわっちゃだめだよ。
やけどしたら「すごく」(sugoku)痛いから気を付けてね。
・スポーツ観戦中、友人と
いまの攻撃は「めっちゃ」(meccha)惜しかった!
あの選手は、「超」(cho)活躍してた!
「とても」(totemo)を意味する若者言葉の「めっちゃ」(meccha)や「超」(cho)は、友人との会話では日常的に使われていることが分かります。カジュアルなシーンでは、「とても」(totemo)をそのまま「とても」と表現する以外にもさまざまなパターンがあるようです。
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「とても」(totemo)のスラングを使わない方が良い場面
強調したいときに便利な「とても」(totemo)のスラングですが、フォーマルな場にはふさわしくない表現なので気を付けましょう。
・結婚式のあいさつで、友人と
今日は、「めっちゃ」(meccha)おめでたい日だね。
どれほど仲が良くても、結婚式というフォーマルな場ではくだけた表現は使わないほうが安全です。参加者の中には、言葉遣いを特に重んじる人がいるかもしれませんので、気を付けましょう。
・卒業式のあいさつで、先生に
高校3年間、「すごく」(sugoku)お世話になりました
卒業式は、一般的には毎年の流れや来賓が決まっており、儀式的な行事と考えられています。そのような場では、場の雰囲気を壊さないような配慮が求められます。
・格式のあるレストランで、シェフに
今日のスペシャルコースは超(cho)おいしかったです。
言わずもがなですが、フォーマルな場で、しかも特に親しくない相手にくだけた表現を使うのは避けたほうが無難です。
・レストランで、お客さまに
このお皿は、「マジ」(maji)で熱いのでお気を付けください。
特別格式高いレストランではなかったとしても、飲食サービスなどの接客業に従事している際はていねいな言葉遣いを心がけましょう。
「めっちゃ」の新しい使い方
これまでご紹介してきた「超」(cho)や「すごく」(sugoku)などの強調表現は、主に何かの程度が甚だしいことを表します。したがって、例えば「めっちゃ机」のように「強調表現+名詞」という使い方はされません。
しかし最近では、「物事の典型的な様子である」、というメッセージを伝えたい時に、「めっちゃ」(meccha)+名詞の用法が登場する場合もあります。つまり、「めっちゃ」(meccha)+名詞で、名詞に形容詞的な意味を持たせているのです。例えば4月の日本では、以下のような会話を耳にすることもあります。
「あそこの桜きれいだね」
「今日は暖かいし、めっちゃ(meccha)春だね」
多くの日本人が、春は桜が満開で暖かく過ごしやすいという印象をもっています。
「桜もきれいで暖かく春らしい日和だ」という意味を「めっちゃ春」(meccha haru)と表現しているのです。
言語は使う人によって言葉の意味や捉え方が変わるので、このような現象も多々起こります。日々変化していく言葉を楽しみ、ぜひ色々な表現にトライしてみてくださいね。
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