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能と狂言とは?はじめて見る方におすすめの演目も紹介

2020年11月27日

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能や狂言に興味を持っているが、能と狂言の意味や違いといった特徴がよくわからない……。

この記事では、こんな疑問を抱えた方のために、能・狂言の一般的な定義を解説していきます。
後半には、はじめての方におすすめの演目を3つずつご紹介します。

日本の伝統芸能の種類や違いに関心がある方も、ぜひ本記事をチェックしてみてください。

能・狂言とは?

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一般的によく似た印象を持たれることの多い能・狂言には、以下のような違いがあります。

能は仮面を付けるのが特徴的な歌舞台

「能」とは、1300年もの昔に中国から伝わった芸能のひとつです。

「能面」や「面(おもて)」といった仮面を使って劇を行なう特徴があり、多くの物語は神話や歴史的な話を題材にしています。

能には、演奏にあわせて物語が進行する、ミュージカルやオペラのような歌舞台という魅力もあります。そして、セリフで「~でそうろう」といった候文をよく使うところも、能の大きな特徴です。

狂言はコメディタッチで進行する喜劇

狂言は、650年もの昔に誕生した芸能です。

「能」との最大の違いは、仮面を装着しない「直面(ひためん)」で劇が進行していくところとなります。
狂言の多くは、日常生活をおもしろいストーリーで描く「喜劇」です。物語のなかでは、「~でござる」といったユーモラスな会話がよく登場します。

能をはじめてみる方におすすめする3つの演目

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はじめて能を見る方には、あらすじなどもわかりやすい以下3つの演目がおすすめです。

土蜘蛛

土蜘蛛は、病気で寝込んでいる源頼光を侍女の胡蝶が見舞いに訪れ、その後に蜘蛛の精がやってくるというストーリーです。従者と独武者による土蜘蛛の精の退治を描いた、非常に単純明快な演目となっています。

放射状に放たれる蜘蛛の糸には、観客を魅了する鮮やかさや美しさもあります。

ですから、はじめての能に不安がある方でも、強いインパクトで魅了される作品となるでしょう。

羅生門

羅生門とは、平安京に実在した門を舞台とする鬼退治のストーリーです。
この演目は、前場と後場のある複式能です。

前場は、源頼光を中心に平井保昌などが次々と登場し、屈強の兵を想像させてくれます。一方で後場に入ると、兜を持った鬼との激しい闘いが始まります。50分ほどの短い演目となるため、はじめて能を見る方にもおすすめです。

羅生門の主人公である「シテ」には、おもしろい演目がたくさんあります。

そのため、舞台の全体ではなくシテの動きに注視してもいいでしょう。

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道成寺

道成寺の舞台は、安珍清姫の事件からしばらく経ったあとの境内です。
この事件は、かつて想いを寄せていた僧侶への嫉妬によって狂った女性が蛇に変身してしまい、僧侶と寺の鐘などをすべて焼き尽くしてしまった話になります。

道成寺における最大の見どころは、前シテである白拍子が鐘に飛び込むと、そこに蛇に変身した女性があらわれるシーンです。白拍子から蛇への変身は、鐘のなかで行なわれます。非常にメリハリのきいた舞台であるため、2時間もあっという間に過ぎてしまう内容です。

狂言をはじめてみる方におすすめの演目3選

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狂言にはじめて触れる方には、以下の3演目がおすすめです。

棒縛(ぼうしばり)

棒縛とは、狂言のなかでも比較的新しい演目です。

ついお酒を盗み飲んでしまう太郎冠者と次郎冠者を、これから出かける主人が棒で縛り、対策を施すことから話が始まります。しかし2人は、棒しばりに遭った状態でも、なんとか工夫しながらお酒を飲んでしまいます。

そんなユーモラスなストーリーのなかで、2人が両手を縛られながらも舞をするところが見どころのひとつです。

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柿山伏

柿山伏は、修行の途中で空腹に耐えかねて柿の実を盗み食いする山伏と、見回りにやってきた畑主の話です。

畑主の無理難題に応えようとする山伏は、必死に動物の鳴き声の真似をします。
その光景を見て、多くの観客が笑ってしまう楽しい演目となります。また、シテ役の高い表現力によって、あたかも高い柿の木にいるように見えるところも魅力のひとつです。

柿山伏は、数ある狂言のなかでも、児童向けの教育教材として使われることの多い演目となります。
ですから、能や狂言などの伝統芸能に難しい印象を持つ方でも、この演目なら自然にストーリーのなかに入っていけると思います。

仏師

仏師は、仏像を買うために都にやってきた男と、騙して金を奪おうとする詐欺師のユーモラスな演目です。
シンプルな話となるため、狂言初心者だけでなく学校の鑑賞教室などでも選ばれやすい演目となっています。

仏師を名乗る詐欺師と、そうとは知らずにできあがった仏像に触れる田舎者の押し問答が、多くの観客の笑いを誘う内容です。この演目では、仏像を表現するために狂言面の「乙」が使われます。

まとめ

今回は、「能や狂言とはいったい何なのか?」という疑問を解消するために、それぞれの定義や具体的な違いなどを詳しく解説しました。能や狂言には初心者向けの演目もたくさんあります。興味がある方は、当ページでご紹介した人気演目からぜひ鑑賞をしてみてください。

この記事は、「にほんご日和」に掲載された記事をKARUTAにて一部再編集しています。
当サイトの内容、テキスト、画像、イラストなど無断転載・無断使用を固く禁じます。

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